hey MAGAZAINEやぁ

カチッとまじめな話を15分、そのあとガラリと雰囲気を変えておしゃべりを15分。カセットのA面とB面みたいに「商い」について語ってもらいました。もちろんカセットだから、ノーカットで。

第二回の今回は株式会社ツクルバ共同創業者・共同代表であり、コミュニティコインアプリ「KOU」仕掛け人の中村真広さんです。

── co-baの中でも「商い」的なことが行われていたりするんですか?

僕や浩輝(株式会社ツクルバ共同創業者の村上浩輝さん)が現場にいた頃は、農家さんから形が悪い野菜をもらってきて原価で販売したりしていましたよ。最近では本社オフィスのキッチンで『発明酒場』と題して酒場っぽいことをやったりしています。オープンオフィスを言い換えたエセ商いって感じですね。もともと酒場の店長などをやってみたいなぁと思っていたこともあって、仮設ですけどそこでバーマスター的に振る舞ったりしています。

── 中村さんらしい感じがしますね。

やっぱりコミュニケーションをとってつながりあっていく感じが好きみたいですね。『発明酒場』でも、誰かが困っていて「こういう人紹介してほしいんですよね」って言われたときに人を紹介したりするのが楽しいんです。

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── お買い物などはしていますか?

家の近くに、小さなギャラリーがあってふらっと立ち寄ることが多いんですが、そこで作品を買っちゃいました。有名なアーティストというわけではなかったのですが、いいなぁ!と思ってしまって。男の子が好きそうな、グラフィティっぽいけど少年マンガを思わせるような作風に一目惚れして、持って帰らずにはいられませんでした。「カッコいい!買う!」って。

── それもまた、人とのつながり重視の消費ですね。

そうなんですよ。しかもその日は展示の最終日で、これからアーティスト本人が撤収作業に来るとギャラリーの方に教えてもらって。アーティストの方も喜んでくれて、裏にサインを書いてくれました。

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── 消費のルールみたいなものがあるんですか?

作家さんと会ってしまうと、買わずにはいられないですね。さらに、本人が楽しそうに作ってるのがわかると、弱いです。工房併設のショップなどもよくあるじゃないですか。そういうところで作っている人と喋ると、楽しそうに話してくれたりして。そうするともう買わずにはいられない(笑)

── 作り手への特別な思いを感じます。

そうですね。やっぱり僕はものを作る人ではないので。

── 作っている人というイメージがあったので意外です。

一次創作的な、染物や絵を書いているわけではないということなんです。事業をつくるのはもっと概念的なので、実際に手を動かしている人にはすごい憧れとリスペクトがあります。いいなぁと思っても、自分にはできないですから。だからこそ、お金に変えられない情熱や手間ひまをかけて作られた物に触れると、衝撃を受けるんです。

── 尊敬の気持ちなんですね。

そうです。上から目線どころか、ものすごい下から目線。何かをつくる人のことをいつも尊敬しています。

株式会社ツクルバ 代表取締役 CCO(Chief Community Officer) 1984年生まれ。東京工業大学大学院建築学専攻修了。不動産ディベロッパー、ミュージアムデザイン事務所、環境系NPOを経て、2011年、実空間と情報空間を横断した場づくりを実践する、場の発明カンパニー「株式会社ツクルバ」を共同創業。デザイン・ビジネス・テクノロジーを掛け合わせた場のデザインを行っている。著書に「場のデザインを仕事にする」(学芸出版社/2017)他。
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