hey MAGAZAINEやぁ

インスタグラムで、@nemuiasaaというアカウントはちょっと有名だ。白を基調にした背景に、カラフルな小物。時々アカウントを運営する白水桃花さん本人も登場する。ひとたびアクセサリーを販売すると告知すれば、あっという間に完売してしまう。そのアカウントを運営し、アクセサリーブランド6:00a.m.をはじめとするブランドを展開する彼女に話を聞いた。

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── 名刺にたくさん肩書きがあるんですね。

デザイナー、フォトグラファー、って名乗っているけど、他にもたくさんやっていることがあるんです。できればひとつの肩書きにまとめたいけど、まとめられないんです。

── インスタグラムは昔からやっていたのですか?

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インスタグラムは高校生くらいから始めて、最初は家族や友達に隠れてやっていました。そこから仕事につながるようになってきて、自分のアカウントに求められていることがなんとなくわかるようになりました。インスタグラムでは、アカウントによって求められることが違う。例えば私のアカウントは、普段の生活がのぞける写真には多くの「いいね」がつくけれど、商品の宣伝をだすとなかなか「いいね」がのびなかったりする。キャプションも、長い文章よりもひとこと英語でさらっとつけたほうが反応が良い。

── インスタグラムだけではなくアクセサリーブランドも人気ですよね。

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実は2年前まで、アクセサリーを作ったり売ったりしたことはありませんでした。素材を揃えるなどの初期費用がかかるからやっていなかったんです。大学一年の春休みにインスタグラムで告知をしながらSTORES.jpで販売してみたのが最初ですね。それまではiPhoneケースやTシャツなどを販売していました。

── 何かを作って売ろうと初めて思ったのはどんなきっかけなのでしょう。

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自分が欲しいものが売っていないと思ったのがきっかけで、最初は自分用に作ろうと思いました。作った方が早くない?っていう感覚です。私が中学三年生くらいの時、自分用に作ろうと思ったiPhoneケースの画像を並べて、「欲しいと思ったらリツイートしてください」ってツイートしたんです。それが4000リツイートされた。4000人も欲しいと言ってくれる人がいるなら、売ればいいのか!とひらめいたんです。今見ると、なんでこれを可愛いと思ったんだっけ?という猫かなにかのキャラクターが書いてあるんですけどね…。

── 常にアクセサリーを売っているのではなく、数日間の限定販売をしていますよね。

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常にアクセサリーを作りたいわけではないからです。季節が変わった時などに、急にアクセサリーを作りたいという気持ちが湧いてきます。思い立ったら素材を一気に揃えて、一気に作って、その熱が冷める前に売り切ってしまうんです。作り始めてから売り切るまでが1ヶ月くらい。熱量を保てるのが1ヶ月が限界なんです。リアルな話だと、細々(こまごま)と売れて細々と発送する作業が面倒だというのもあります。

── やりたい気持ちがなくなってしまう?

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そうですね。自分のやりたいことじゃないと一度でも思ってしまうと、クオリティがどうしても下がっちゃう。作らなきゃ作らなきゃって思うとしんどいんですよね。

── 白水さんのアクセサリーは全てオリジナルで複製はあまりないですよね。アイディアを作り続けるのは難しくありませんか?

アクセサリーに関しては、自分のアイディアの限度が20個か30個なんです。それ以上むりやりがんばってもあんまりかわいくなんですよね。なのでそのラインを自分で知っておいて、楽しみながら作れる範囲を出ないようにしている。

── 楽しみながら作るのがコツですか?

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そうですね。そして、これはアクセサリーだけに限らず全ての作るものに共通しているんですが、「これ自分がほしいか?」っていわれたときに「欲しい!」と即答できないものは売らないようにするのも大事です。一度作ったとしても、微妙だなと思ったものは出さない。そういうものって不思議と実際にショップに出しても売れないし、いいねもつかないんです。「これすごい!かわいいのできた!」って我ながら思えるものは即完するんですよ。

楽しみのサイクルとその大きさを自分で知ること。ひかえめでおっとりしたように見える彼女は、自分を楽しませながら作り続けるコツを上手につかんで、その循環を楽しんでいる。これからはインスタグラムの運用や撮影の仕事などにも挑戦したいという。彼女の持っている「これ可愛い、欲しい」という熱量は、たくさんの人を動かしていく。

1997年東京生まれ、茨城育ち。中3で一眼レフを手に入れて写真を撮り始める。高校生のときに始めたiPhoneケースの販売をきっかけにデザインに興味を持ち、美大に進学。20歳の誕生日にははじめての個展を開催。その後大学を中退し、現在はフリーで名刺や紙面のデザイン、アーティスト写真や商品の撮影、instagramのディレクションなど幅広く活動中。その傍らでオリジナルグッズやハンドメイドアクセサリーの制作・販売といった自主制作も行っている。
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